引き戸にリフォーム!メリットやリフォームにかかる費用は?
引き戸へのリフォームは、スペースの有効活用やバリアフリー化を実現するために人気の選択肢です。開閉がスムーズで、狭い場所でも使いやすいのが特徴です。リフォーム費用は素材や施工方法により異なりますが、快適で使い勝手のよい住まいを目指す方には大変おすすめです。具体的なメリットや費用についてくわしくご紹介します。
引き戸の種類
室内や玄関のドアにはおもに前後に開閉する開き戸と、左右にスライドさせる引き戸の2種類があります。ここでは、引き戸の種類とその特徴についてくわしく紹介します。
引き戸と開き戸の違い
まず、引き戸と開き戸の違いについて確認しておきましょう。引き戸はレール上を左右に動く扉で、日本の住宅や建物で古くから使われている非常に馴染み深い建具です。
一方、開き戸は蝶番(ちょうつがい)を起点として縦に動く扉で、一般的にはドアノブを回して前後に開閉します。
引き戸は左右どちらかに扉1枚分の空間が必要ですが、開き戸は前後の空間を確保する必要があります。開き戸同士がぶつかるなどのデメリットが生じる場合もあるため、設計時には注意が必要です。
引き戸の種類と特徴
引き戸には大きく分けて5種類あります。それぞれの特徴を以下に詳述します。
まず、片引き戸は、壁にスライドさせて開閉する引き戸で、左右どちらか一方にスライドさせて開け閉めします。シンプルな構造なので設置が容易で、スペースの有効利用がしやすいのが利点です。一般的には戸が1枚のものが多いですが、連動タイプには戸が2枚や3枚のものもあります。
次に、引き分け戸は、2枚の扉を両側にスライドさせて開け閉めします。両側に開くため、中央に広い開口部ができ、開放感を損なわない間仕切りとして使うことも可能です。
引き違い戸は、扉を2枚設置して左右どちらからも引き開けられる引き戸です。左右どちらからでも行き来できるため、ドアの両側の壁が使え、動線確保も比較的楽になります。引き違い戸はバルコニーや庭に面した出入り口などでよく使用され、出入りの自由度が高いのが特徴です。
引き込み戸は、スライドさせた戸が壁の中へ収納される仕組みの引き戸です。壁の内部に戸が収納されるため、部屋の空間を広く使えます。引き込み戸は、とくに限られたスペースを最大限活用したい場合に適しており、部屋を広く感じさせる効果もあります。
最後に、折れ戸は、開けたときに扉が中折れになる引き戸です。開閉スペースを小さくできるため、トイレやバスなど比較的狭い場所でも間口を広く開けられるのが特徴です。折れ戸は収納スペースの扉としてもよく使用され、コンパクトに開閉できるため便利です。
引き戸にリフォームするメリット
引き戸にリフォームすると多くのメリットがあります。ここでは、引き戸にすることで得られるおもな利点についてくわしく紹介します。
スペースの有効活用
開き戸はドアの付近にある程度の可動域が必要なため、ドアの前に家具を置くことが難しく、勢いよくドアを開けた際に人に当たる危険性もあります。しかし、引き戸は左右にスライドして開閉するため、ドアの前に物を置いても問題なく開閉できます。これにより、狭い部屋でもスペースを無駄なく利用でき、家具のレイアウトの自由度が増します。
風とおしの向上
住宅の風とおしをよくするためには、南北に窓を設けるのが一般的ですが、開き戸では開けっ放しにしておくと風でドアが勢いよく閉まる場合があります。一方で、引き戸は風によって勝手に閉まることはほとんどありません。また、半開きにして、風とおしを細かく調節できます。これにより、夏場の冷房使用頻度を減らし、省エネ生活を実現することも可能です。
バリアフリー対応
開き戸タイプのドアは、開ける際にドアノブをひねり、ドア可動域を作るために体をずらす必要があります。一方、引き戸ならば体の位置を変えずにスライドさせるだけで開閉できるため、高齢者や車いす利用者にとって非常に使いやすいのです。このため、高齢者施設や病院では引き戸が多く採用されています。
引き戸のリフォームでかかる費用とは
引き戸のリフォームにかかる費用は、引き戸の種類や設置場所によって異なります。以下に、場所別の費用相場を紹介します。
室内ドア・クローゼット
室内ドアやクローゼットの扉を引き戸にする場合、費用相場は約20~30万円です。引き戸本体の価格によって費用には大きな差が出ます。低価格の引き戸であれば本体は数万円程度ですが、バリアフリー対応や断熱効果が高いものは、約20~50万円になる場合もあります。
引き込み戸にリフォームするなら、壁の解体や補修費が発生するため、工期が長くなり、費用相場は約30~35万円と高めです。引き違い戸にリフォームする場合も、壁を解体して間口を広げる必要があるため、費用相場は約30万円前後となります。
開き戸や扉をリフォームする場合
開き戸や扉を引き戸に交換する場合も、引き戸の価格によってリフォーム費用は大きく異なります。バリアフリーを意識することが多く、費用相場は約20~30万円です。引き込み戸や引き違い戸にリフォームする場合は、壁の工事が必要となるため、費用が高くなります。
玄関扉を引き戸に交換する場合
玄関扉を引き戸にリフォームする場合の費用相場は約30~40万円です。しかし、規模によっては約100万円かかるケースもあります。玄関扉は室内扉と異なり、防犯面も考慮されているため、本体の価格が高くなります。
片引き戸に変更する場合、既存の玄関枠をそのまま活用できれば費用を抑えられますが、壁や間口の工事が必要な場合は約50万円かかります。引き込み戸へのリフォーム費用相場は約50~60万円、引き違い戸は規模によって費用が大きく変わり、相場は約60~100万円前後とされています。
まとめ
引き戸にリフォームすることで、スペースの有効活用、風とおしの向上、バリアフリー対応など、多くのメリットが得られます。とくに狭い部屋や高齢者がいる家庭では、その利便性を大いに感じられるでしょう。引き戸のリフォームは、引き戸の種類や設置場所、必要な工事内容によって費用が大きく変わるため、予算に応じた最適なリフォーム計画を立てることが重要です。費用相場を理解したうえで、自分のニーズに合った引き戸リフォームを検討してみてください。